大津に長年住んでいても、もしかしたらご存じの方は少ないかもしれません。
実はこのまちが「日本のお茶の発祥の地」だということを!

日本へ最初にお茶を伝えたのは、比叡山延暦寺の開祖である最澄こと伝教大師。
いまから約1200年前の平安時代。延暦24年(西暦805年)に、遣唐使として渡った中国からお茶の種を持ち帰り、比叡山の坂本に植えたのが始まりなんです。
いまも京阪坂本駅のすぐそばに「日吉茶園」としてゆかりの地が残されています。

そこで「大津百町物語」の人々は考えました!
「発祥の地として、おいしいお茶の専門店を商店街に新しくつくれないだろうか」と。

そうしてオープンしたのが、産地直売の店「与三はん」です。

与三はん本人は日々、信楽の茶畑で丹精込めてお茶作りをしています!

信楽といえば全国に知られる「朝宮茶」の産地ですが、その起源はやはり最澄。
持ち帰った茶の種は比叡山山麓に植えられたあと、より適した環境を求めて『朝宮の宮尻の地』に植えたと伝わっています。

歴史的にみれば、信楽はその100年前の西暦742年に紫香楽宮があったのですから、かつての大津宮に近く、平安京の鎮護寺でもある延暦寺とゆかりが深かったのだろうと推察できますよね。

朝宮でも、上質の茶を作る匠として知られる与三はん。

その茶処・朝宮で、中核農家の4代目として4ヘクタールの茶畑をもち、お茶を作っているのが北田与志照さん。
北田姓の多い朝宮では、亡父・与三郎さんの名前を屋号のようにして親しみを込めて「与三はん」と呼ばれています。

お茶一筋の誠実な人柄と、それを反映したかのような奥深いお茶の味わい。
朝宮でも名の通った茶の匠にほれ込んで、商店街は与三はんのお茶を取り扱わせてもらうことに決めたそうです。

与三はんに行ったら休憩も兼ねて、お茶の飲み比べ(200円)なんていかがですか?

左から「上荒茶」「ほうじ茶」「かりがね」です。
見た目からして、ずいぶん違いますね!

味もそれぞれ特徴がありますが、上質なお茶はその違いがさらに顕著なんです。
恥ずかしながら、普段、なにげな~くしか飲んでこなかったお茶も、与三はんのお茶を飲むと、煎茶ってつまりこういう味なのね!と開眼。

個人的には、「上荒茶」は味にまるみがあって飲みやすく、「ほうじ茶」はまろやかな飲み口で香りを楽しめるお茶。「かりがね」は渋みを楽しむお茶のように思いました。
人それぞれ好みも分かれるのがお茶!
ぜひ飲み比べて、好みのお茶に出会ってくださいね。

香りよく、渋み、旨味も楽しめる朝宮の煎茶。特上煎茶は1,250円です。

朝宮茶のウーロン茶や、朝宮の和風紅茶もあります。

与三はんのモットーは「茶の本当のうまみと涼やかな香りを飲む人に届けたい!!」

畝に笹を敷き、保湿と土壌の涵養に心を配った畑で育つ心づくしのお茶。

この味なら、人に送ってもきっと喜ばれます。
贈答の際にはぜひ、大津と朝宮のお茶の歴史も“お茶うけ”に添えてみてください。

和食文化を支えてきた繊細な緑茶の味わいを、与三はんでどうぞ。

◇与三はん◇
営業時間:10時~17時
定休日:水曜日
百町市場店舗内にて営業

※記事は2015年7月の取材を元に作成しています。